胃カメラ(胃内視鏡検査)は、鼻もしくは口から内視鏡を挿入していき、食道、胃、十二指腸の内腔を観察する検査です。また内腔の様子を単に観察するだけでなく、疑わしいと思われる組織の一部を内視鏡にある鉗子によって採取し、顕微鏡で詳細を調べること(生検)が可能です。
当クリニックでは、「富士フィルム社製LASEREO7000システム」を使用しています。波長の異なる2種類のレーザー光による観察が可能で、レーザー光の発行比率を変えることで、粘膜表面の微細な血管や構造が強調される「BLI機能」、わずかな色の違いを強調する「LCI機能」の2種類の画像強調観察を行うことができます。このような画像強調観察を用いて胃がんなどの病気の早期発見・診断をより確実にしていくことができます。
内視鏡先端部の直径が5.8mmと大変細いスコープを左右どちらかの鼻腔から挿入していきます。
そして食道や胃に向かって内視鏡を入れていくわけですが、その際に舌の付け根に内視鏡のスコープが触れることはないので、不快感や嘔吐反射は起きにくく、苦痛の少ない検査が可能です。
また検査中でも口が塞がっている状態ではないので、医師と会話することもできます。当クリニックで使用しているスコープは、径は細くとも通常の経口内視鏡用の太いスコープと同等の画質が得られ、病気の早期発見、早期診断が可能です。
なお経鼻内視鏡を希望したとしても、鼻の違和感に耐えられない、もともと鼻腔が狭い、鼻に何らかの疾患(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎 など)があるという場合は、経口内視鏡による検査をお勧めしています。
・逆流性食道炎
・胃炎(急性・慢性)
・胃ポリープ
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・食道がん
・食道ポリープ
・胃がん など
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を希望する場合、まずは日時を予約していただき、経鼻内視鏡か経口内視鏡かを選択しますが、その際に感染症の有無を確認する血液検査を行います。胃カメラを受けるにあたって問題がないことが確認できれば、医師およびスタッフから、検査前、検査当日、検査後についての注意点などを丁寧に説明していきます。
具体的には、検査前日の夕食は軽めにして、21時以降は水を除く飲食は避ける、検査当日の朝は飲食(水は可)、喫煙、常備薬の摂取はしないといった説明があります。なお、常用薬があるという方は事前に医師へ相談するようにしてください。なお胃カメラ検査は以下のような流れで行われます。
消泡剤を飲む | 検査をしやすくするために消泡剤(白い液体)を飲みます。これによって胃内にある泡を除去していきます。 |
麻酔をする | 経口内視鏡では咽頭麻酔、経鼻内視鏡で鼻の中に麻酔をしていきます。 |
内視鏡の挿入(検査開始) | 検査台で横になったら内視鏡を挿入していきます。 |
胃内を観察 | 主に食道・胃・十二指腸の内壁を観察し、病変の有無を確認していきます。疑われる組織があれば一部を採取することもあります。ちなみに経口内視鏡の場合、唾液が口の中に溜まるようになりますが、それは飲み込まずに口の横から流し出すようにします。 |
検査終了 | 医師が隅々まで胃などの内腔の様子を確認すると終了です。検査時間は観察だけであれば10分くらいです。 |
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、肛門から内視鏡を挿入していき、大腸(結腸、直腸)や小腸の一部を観察する検査で、腸内の病変(炎症、潰瘍、ポリープ等)の有無を調べることができます。また病変が疑われる組織を内視鏡で一部採取して詳細を顕微鏡で調べる生検や、ポリープを発見した場合には日帰りでの内視鏡切除術も行っていきます。検査時間に関しては、観察のみであれば20分程度で終了します(個人差はあります)。
内視鏡スコープは拡大機能を有するEC-L600ZP7を使用しています。拡大観察が可能で、病変のより詳細な観察と診断を行うことができます。さらに、スコープの硬さを任意に調整することができる「硬度調整機能」、挿入部先端が軟らかく曲がりやすくなっているが、曲がった後はまっすぐに戻りやすくする「カーブトラッキング技術」を搭載しており、挿入時間の短時間化、検査時の苦痛軽減をすることができます。
また、内視鏡検査では、腸を拡張させなければ観察を行うことができませんが、この際に腸に長く滞留する空気を送り込むことで腹痛やお腹のハリといった症状を招く原因になっています。当クリニックでは、内視鏡用炭酸ガス送気装置を導入しており、空気ではなく炭酸ガスを送り込んでいます。
炭酸ガスは早期に消化管内で吸収されるため、消化管の膨満が早く解消され、苦痛の軽減をもたらしてくれます。
・大腸ポリープ
・大腸がん
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
・大腸憩
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)による検査を希望される場合、まず検査日時のご予約をしていただきます。
検査日が決まった時点で感染症検査(血液検査)も行います。なお糖尿病患者様で血糖値をコントロールするお薬(経口血糖降下薬やインスリン)を使用されている方は事前にお申し出ください。このほか、医師もしくは当クリニックスタッフから、大腸カメラによる検査を受けるにあたっての注意点の説明もあります。
具体的には、検査前日の夕食(消化しやすい食品にし、海藻類、きのこ類、果実類は避ける)は21時までとし、検査まで絶食するといったことや、検査前に服用する下剤の説明、常用薬の服用の仕方について、検査後に気をつけることなどについての説明があります。検査前日の食事については、大腸カメラ前日用の食事を購入することも可能です。
検査当日の大腸カメラの大まかな流れは以下の通りになります。
検査を受けるにあたって、まずは腸内をきれいにする必要があるので検査当日の朝から下剤(腸管洗浄液)1.0~1.5ℓを10分以上時間をかけて飲んでいただきます。
その後は、排便を繰り返すようになりますが、便が透明になったら検査の開始となります。
お着替え | 検査衣に着替えて準備していただきます。 |
検査開始 | 検査台で横になったら内視鏡を肛門から挿入していきます(検査の開始)。 |
腸管内部を観察 | 内視鏡によって撮影された映像はモニタを通して医師が確認、結腸や直腸などの内腔に病変がないかを調べます。 疑わしい組織があった場合は内視鏡で一部を採取し、顕微鏡で詳細を調べていきます(生検)。 切除可能なポリープや癌を見つけたらその場で切除します。 |
検査終了 | 大腸の内腔を一通り観察すれば検査は終了です。検査時間は観察のみなら15~30分程度です。 |
・検査を終えた当日は、激しい運動は避け、できるだけ静かに過ごすようにしてください。
飲食については、とくに問題がなければ1時間後から可能です。また気になる症状があるという場合は、速やかに医師へご相談ください。
・ポリープを切除した方は、検査後7日間はアルコールや香辛料などの刺激物、激しい運動、入浴(シャワーは可)を控えてください。